栞
私のキャンバスはお洋服です。画家が絵の具を使うなら私は古布のはぎれで描きます。古布のパーツは一枚一枚心を込めて手作りしています。服は、これはと思うものを自分で選んだりオーダーで作ったりしています。 |
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主役・脇役
着物の柄には色々ありますが、小さなパーツになってもそれぞれの性格が出ています。例えば、「主役になりたい」柄、「脇役でいい」柄。主役になりたい柄同士隣り合わせにするとガチャガチャして落ち着きません。主役と脇役コンビはしっくりなじんで服の上におさまってくれます。しかし、どのとりあわせもうまくいくとは限りません。やはり相性があって主役をひきたてる脇役、そうでない脇役柄がいます。脇役同士トリオでスクラムを組んで全体的に渋い主役になる場合もあります。
勿論、服との波長やバランスも着物パーツのパワーの強弱も取捨選択に大きく関係してきます。そんな取り合わせ・組み合わせをあれこれ考えて、パーツ選びや配置を考える時間がとても楽しい毎日です。 |
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気持ちはカタチ
気持ちを伝えるにはそれ相応のカタチが必要です。お料理でも同じですが、ほっこり和みたい、癒してあげたい時には丸く切ったり丸めたりした具材を使って調理します。シャンとしたい時には千切りや短冊や、直線・長方形にカタチを切って調理します。そうすると料理に気持ちが伝わって食べる人に思いは通じるのです。
着物パーツも同じだと思います。正確に作った3・4・5センチ角のパーツたちが私の気持ちを伝えます。 |
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色即是空
着物パーツを配置すると、パーツがのっかった場所とのっかってない場所ができます。これはパーツが「有」、「無」といった大きく違いのある世界が生じることになるのですが、手でさわってみるとその違いはたった1ミリにも満たない薄さでもあることに気がつきます。「存在する」と「存在しない」ことって、ちょっと目線を変えれば大した違いはないものなのかも知れない、と感じたりもするのです。
パーツを並べて表現したい世界は、実は間にできる空間なのです。何もない空間こそ私の魂の行き着く先。そこは「無い」ことが存在している世界です。私とあなたの区別も無い、素粒子レベルで動く物体もない、すべてのものが一つとなり何も動かない、何も存在しないという世界が存在する。パラドックスのようですが、そんな「無」の世界にいずれは帰っていくのだということを表現しています。今生きているこの世界は、あらゆるものが絶えず振動して波動を生み感情を生み争いを生み、喜びや悲しみや色々なことを刺激しあっています。そうするために生きているのであり人生を体験しているのです。だけど対極の世界があると意識しながら生きていたいと私は思います。その思いをパーツで表現しているのです。 |